少子化に伴い施設数は減少していますが、常時医師不足感がある診療科です。三次救急まで対応する急性期病院や地域拠点病院などと、外来のみのクリニック型施設への二極化が進行しています。患者はおおむね15歳未満であることから、保護者のケアも必要です。治療法なども患者自身で決められないことが多く、十分に意思疎通を図れない難しさがあります。さらに、小児科なら「小児」というカテゴリーで、あらゆる症状に対応しなければならないので、豊富な知識と経験が必要です。 『医師・歯科医師・薬剤師統計』(厚生労働省、2020年) によると、医療施設に従事する全医師数32万3700人のうち、小児科医は1万7997人(5.6%)、小児外科医は887人(0.3%)となっています。全男性医師に占める男性小児科医の割合は4.6%、全女性医師に占める女性小児科医の割合は8.8%です。男女合わせた小児科医の平均年齢は50.7歳となっています。一方、全男性医師に占める男性小児外科医の割合は0.3%、全女性医師に占める女性小児外科医の割合は0.3%です。男女合わせた小児外科医の平均年齢は44.9歳となっています。また、『病院における必要医師数調査結果』(日本医師会、2015年)によると、小児科の現員医師数5969人(常勤換算)に対する必要医師数の倍率(常勤換算)は1.07倍、小児外科の現員医師数375人(常勤換算)に対する必要医師数の倍率(常勤換算)は1.14倍となっており、全科の中での求人ニーズはやや控えめ~高いです。