「形成外科」「乳腺外科」 などを含んで、ここでは「その他外科」としています。形成外科は体表面の外傷や異常に対する機能面・形態面の治療を、乳腺外科は乳房の疾患の治療を、それぞれ扱っています。ここで紹介するのは複数の診療科を含んだデータであることに留意しつつ、年収事情を掘り下げて見ていきましょう。
30~60代以上にかけて「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーンとなっていますが、一方で「1,000万円未満」も「2,000万円以上」も一定数いることが特徴的です。複数の診療科を含んだデータなので年収の振れ幅も大きくなっていると思われますが、30代にして「2,000万円以上」が22%という結果はやはり目を引きます。
九州・沖縄で「1,000万円未満」が67%、北海道・東北で「2,000万円以上」が50%と高い割合を示していますが、これはサンプル数の都合でたまたま極端な結果になっていると思われます。比較的多くサンプルが集まっている関東に関しては、「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーン(70%)となっています。
いずれの施設においても「1,500万円以上~2,000万円未満」がボリュームゾーンとなっています。200床未満の病院とクリニック・その他では「1,000万円未満」も「2,000万円以上」もいて、振れ幅が大きくなっています。クリニック・その他では「2,000万円以上」が30%に達しており、開業医であればその他外科の領域でも高い年収を見込めることが示されています。
データ上、性別による年収水準の違いがはっきりと表れています。男性では「1,500万円以上~2,000万円未満」が65%、「2,000万円以上」が24%もいるのに対して、女性ではいずれも0%です。女性のボリュームゾーンは「1,000万円以上~1,500万円未満」(67%)となっています。労働環境が厳しめな外科領域であるだけに、女性が十分に活躍しにくくなっている可能性が考えられます。
その他外科で働く医師の希望年収は、「1,500万円以上~2,000万円未満」が最も多く(43%)、次いで「1,000万円以上~1,500万円未満」(38%)、「2,000万円以上」(13%)の順となっています。
他の外科系診療科では「2,000万円以上」を希望する割合がもっと多いので、かなり控えめだといえるでしょう。また、他の外科系診療科では第3位であることが多い「1,000万円以上~1,500万円未満」が第2位となっており、年収よりもワークライフバランス重視の方が多いのかもしれません。
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科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。