「心療内科」「神経内科」「内分泌内科」「血液内科」などを含んで、ここでは「その他内科」としています。心療内科は主にストレスなどが原因で身体に異常をきたす心身症を、神経内科は脳や神経の疾患を、内分泌内科は主にホルモン異常などが原因で生じる疾患を、血液内科は赤血球や白血球の異常に関わる疾患を、それぞれ扱っています。年収事情に関して、内科系診療科の中では特徴的といえる調査結果が出ているので、さっそくチェックしていきましょう。
最も目を引くのは、20代において「1,000万円以上~1,500万円未満」が71%と、早くも1,000万円の大台を突破していることではないでしょうか。データ上は他の診療科ではほとんどみられないほど高い割合です。30代以降はなだらかに上昇していき、40代で「1,500万円以上~2,000万円未満」が40%に達しています。
地域格差が如実に表れていることが特徴で、北海道・東北、中部、中国・四国では「1,000万円未満」の割合がそれぞれ65%、51%、67%を占めています。一方、関東、関西、九州・沖縄では「1,000万円未満」の割合はそれぞれ4%、7%、9%に過ぎません。ここまで差があるとなると、年収面を重視する方は、働く地域をよく検討すべきかもしれません。
病院の規模(病床数)による傾向の違いはみられず、「1,000万円以上~1,500万円未満」が約5割、「1,500万円以上~2,000万円未満」が約4割となっています。ただし、その他内科は病院ではそこまで医師の人数がいないこともあってか、「クリニック・その他」のサンプル数が多くなっています。「2,000万円以上」が10%に達しているのは、経営者(開業医)が多く含まれているからかもしれません。
性別によりそこまで大きな差はみられず、「1,000万円以上~1,500万円未満」がボリュームゾーンとなっています。女性にとって厳しいデータが出ていた消化器内科や循環器内科に比べて、女性が働きやすい環境にあるといえるかもしれません。ただし、他の内科系診療科に比べて、1,500万円の壁を越えていく勢いはあまり強くない印象です。
その他内科で働く医師の希望年収は、「1,000万円以上~1,500万円未満」が最も多く(56%)、次いで「1,500万円以上~2,000万円未満」(29%)、「2,000万円以上」(8%)の順となっています。
他の診療科では「1,500万円以上~2,000万円未満」を希望する層がボリュームゾーンとなることが多いだけに、「1,000万円以上~1,500万円未満」が最も多いというのは特徴的です。その他内科の医師は、身体的な意味ではそこまでハードワークを強いられることが少ないことも影響しているかもしれません。年収が高いに越したことはありませんが、現在の年収に対する満足度が低くないのであれば、それはそれで恵まれた環境にあるといえそうです。
※ご相談は無料です
科目によって異なる医師の年収事情について、アンケートを実施し現状を調査しました。